グリフォンの恋人・神官と王族とワンコの三角関係?・クレルとリーフェスト公

窃盗事件

<窃盗事件>

その事件は、一週間後に起きた。

クレルが朝起きた時には、隣のベッドにダリアがいなかった。

シーツも布団も、ぐしゃぐしゃに丸めてある。

おかしいな・・と思いながらクレルが服を着ると、ないっ・・ないのだ!!

ポケットに入れておいた、あの男からもらった金の留め具。

父の遺髪と一緒に袋に入れて、いつも身につけていたのだが・・・

床に、父の遺髪を包んだ紙袋だけが、投げ捨てられていた。

クレルはため息をついて拾い上げ、父の遺髪を握りしめた。

これが、私にとって一番大切なものだから・・・

父の穏やかに細められた、ペールブルーの瞳が思い出される。

金の止め金具は、ダリアが盗んだのに違いない。

クレルは複雑な想いで、ベッドにすわりこんだ。

カーーン、カーーン

教会の鐘が、朝の祈りの時を告げた。

クレルは我に返り、急いで身支度をして、部屋を出た。

ダリアがいなくなったことを、修道女たちに報告せねばならない。


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