グリフォンの恋人・神官と王族とワンコの三角関係?・クレルとリーフェスト公
「ダリアが・・・しかたないですね。あの子は・・・・」
修道女たちは<いずれそうなるだろう>と、予測をしていたような口ぶりだった。
「あなたは仕事を続けてください」
クレルは頭を下げて、台所に向かった。
その日の夕方、夕方の祈りのため、祭壇のろうそくの補充をしていた時だった。
正門のほうで、怒鳴り声が聞こえる。
「クレルという娘は、ここにいるか!?」
数人の警察官が、教会の裏手の通用門にも、バラバラ走って行くのが窓から見えた。
「クレルっ!早くきなさい!!」
修道院長先生が、叫び声をあげ、恐ろしい勢いで向かってきた。
その後に、数人の警察官の男たちがついてくる。
「おまえがクレルか?来いっ!!」
ろうそくを握ったまま、立ちすくむクレルに、一人の大柄な警察官がグイッと肩をつかんだ。
クレルは驚いたまま、声すら出ない。
そのまま、ひきずられるように、裏門にとまっていた馬車まで連れていかれた。
「早く乗るんだ!!」
警察官が大声で怒鳴り付け、クレルはなんの抵抗もできずに、あっという間に押し込まれた。
それは、窓は鉄格子がはめられ、罪人が乗る馬車。
ガチャン
外から重い鍵をかけられた。
なぜ? なんで・・・・?
クレルは不安で、不安で、ポケットにある父親の遺髪の袋を握りしめた。
馬車の中はすえた匂いで、吐きそうになる。
クレルは少しでも新鮮な空気を吸おうと、鉄格子にしがみつくように座りこんだ。
連れて行かれたのは、市庁舎の中庭だった。
その時には、手は縛られ、首にも縄がかけられている状態で、冷たい石だたみの上にひざまずくよう、警官から肩を強く押された。
「あの女だよ。あの女が持っていたんだ。」
後ろで、必死に叫ぶ、かん高い声が聞こえる。
クレルは振り向いて、その声の主を見た。
ダリアが同じように縛られて、床に座らされている。