グリフォンの恋人・神官と王族とワンコの三角関係?・クレルとリーフェスト公
カイゼル髭の立派な警察官が、絹の布に包んだものをクレルの前で開いた。

「これはお前のものなのか?」

金の紋章の留め金具、あの男がくれたものだ。

「はい、もらったものです」

クレルは簡潔に答えた。

「誰からもらった?」

「名前の知らない男の人が、くれたものです」

その答えに、警察官は疑わし気に、クレルを見た。

「名前の知らないとは・・・?」

その目はお前が盗人だろう、と言わんばかりだったが、すぐに階段の上を見上げた。

「リーフェスト公様、もらったものだと言っておりますが」

その視線の先、階段の上から、手すりによりかかるようにして、こちらを見ている男がいた。

クレルは、ゆっくりと階段を降りてくるその男を見た。

あの時の神殿火事で、逃げた時に出会った男。

印象的な濃いエメラルドグリーンの瞳、漆黒の髪、身なりは高位の貴族だ。

「ふーーーん、顔を上げろ」

その男は、何の感情も交えずに指示をした。

クレルは震えながらも、しっかりと顔を上げてその男を見上げた時だった。

タタタタタタ

大きな犬が、石畳をけるようにクレルに向かって走って来る。

クーーン、クーーーン
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