グリフォンの恋人・神官と王族とワンコの三角関係?・クレルとリーフェスト公
副校長は、ため息のように息を吐いてから、小さな袋をそっと机の上に置いた。

「サンサザール神官様の遺髪が入っています。
あなたに・・・渡しておきます」

クレルは頭を下げ、両手で遺髪の袋を受け取った。

泣いてはいけない・・・そう思いながらも、袋を胸に抱いたまま、涙が落ちていく。

「クレル。もうひとつ・・・実は重要な話があります」

クレルは遺髪の袋を握りしめて、次の言葉を待った。

「サンサザール最高神官様の後継者候補に、あなたの名前が挙がっているのです」

クレルは驚いて顔を上げると、苦し気な副校長の視線と合った。

「でも、私はようやく、初級神官の資格を得たばかりで・・・」

副校長は目を伏せて、うなずいた。

「そうですね。そうなのですが・・・
サンサザール神官様の直系は、あなただけなのです」

父であるオーギュスト・サンサザールは、神殿の最高神官に就任していたので、妻帯は許されなかった。

しかし、多くの神官は、表向きは独身を通したが、事実婚として家庭を持ち子どももいる。

「そんな・・今の私に、最高神官が務まるはずはありません!」

クレルは弱々しい声だったが、はっきり言った。
< 3 / 123 >

この作品をシェア

pagetop