グリフォンの恋人・神官と王族とワンコの三角関係?・クレルとリーフェスト公
クレルは立ち止まり、そっと道端に咲いている花の匂いをかいだ。

ここは本当にきれいな場所だ。

あの罪人を運ぶ馬車の臭さは、息が詰まるほどだった。

クレルは思い出して、大きく深呼吸した時だった。

ウォン、ワン、ワン

大きなオオカミ犬が、全力疾走でこちらに向かってくる。

「きゃぁ・・・」

クレルを押し倒して、その顔をペロペロなめたが、何とか、座りなおして犬の頭をなでた。

「お出迎えしてくれるのね。ありがとう」

「グリフォン!こっちに来い!!」

鋭い声が響いた。

クレルが振り向くと、灰色のマントに身を包んだ、大きな黒い馬にまたがった男が見下ろしている。

漆黒の髪、あの濃いエメラルドグリーンの印象的な瞳、その目は少し見開いているが

・・・鉱物質で冷たい輝きだ。

リーフェスト公だった。

「グリフォン、行くぞ」

クレルは戸惑い、とっさに声をだした。

「あの・・・私は・・・」

リーフェスト公は、馬上からクレルを眺めていたが

「このまま真っすぐ行けば、館だ。
玄関脇の小さい道を進むと、台所がある。その後の事はメリッサに聞け」

それだけ言うと、リーフェスト公は正門に向かって、馬を走らせた。

グリフォンも、すぐにその後を追う。

クレルは立ち上がると、グリフォンになめられた顔を手でぬぐった。
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