グリフォンの恋人・神官と王族とワンコの三角関係?・クレルとリーフェスト公
「そうだろう。俺たちが育てた自慢の馬だからな。
親父が調教して、旦那様の馬の中で、一番速いんだ」

ジミーは、ダボダボのつなぎの下、薄い胸を張った。

「この子の名前は、なんて言うの」

「ブラックファイアーだよ。
でも、こいつを超える奴が来て、今ちょいと、ご機嫌が良くないんだ」

ジミーはそう言うと、馬場に放たれている灰色の馬を指さした。

「あいつはバレット。旦那様が、国王陛下からぶんどった馬なんだ。
すごく速いけど、気が荒い。
親父も手を焼いている。まだ人は乗せられない」

クレルは木の柵に手を置いて、馬を眺めた。

美しい灰色の馬が、たっぷりの尻尾を揺らしてゆっくり馬場を歩いている。

「お姉ちゃん、新顔だね。馬が好きなの?」

ジミーがサンドイッチをほおばりながら、人懐っこく聞いた。

「クレルよ。最近ここに来たの。よろしくね。
馬は好き、美しいもの。あの馬の絵を描きたいわ」

クレルは目をほそめて、思い出していた。

神殿では、儀式用の白い馬を何頭か飼育していた。

幼い時からクレルは暇があると、馬小屋に行き、白い馬たちと遊んでいたのだ。
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