グリフォンの恋人・神官と王族とワンコの三角関係?・クレルとリーフェスト公

マリウス様の来訪

<マリウス様の来訪>

ある日の午後、厨房でメリッサが、執事のハルトさんに聞いていた。

「これから、マリウス様がお見えと聞きましたが、夕食はどうされますかね」

ハルトさんは、手紙の仕分けをしながら

「旦那様からは、夕食をご一緒にするとは聞いてはいないのだが。
マリウス様は用がすめば、すぐにお帰りになるだろうし」

クレルは厨房の隅で、じゃがいもの皮をむきながら、耳を傾けていた。

マリウス様って誰だろう・・・前にも聞いた事のある名前だ。

「お茶だけでよいかと」

ハルトさんも、腕組みをして思案している。

「でも、マリウス様が長居するとなると・・・何かお出ししなければならないでしょうね」

メリッサは、いつもの事だというように

「取りあえず、きゅうりとサーモン、チキンのサンドイッチとスープと、りんごのコンポートとマデイラケーキの準備をしておきます。
冷めても大丈夫なものでいいですね」

「ああ、そうしてください」

ハルトさんは、手紙の束を持って足早に出て行った。

彼も、実はメリッサに頭が上がらないのだ。

「ジャガイモが終わったら、ニンジンをやりますか?」

クレルがメリッサに聞いた。

彼女の機嫌がいいかどうか、声でわかる。

「そうさね、玉ねぎの薄皮が先だ」

壁に張ってあるレシピを眺めているメリッサは、今の所、機嫌は悪くなさそうだ。

クレルは、包丁を手早く動かしながら、さりげなく聞いてみた。

「マリウス様って、どちらの方なのですか?」


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