グリフォンの恋人・神官と王族とワンコの三角関係?・クレルとリーフェスト公
クレルはドアの隙間から、邪魔にならないように小さな声をかけた。

「ああ、ミアが休みだから、あんたが代わりにやるのか。
さぁ、こっちにおいで」

スーが手招きをすると、クレルを椅子に座らせた。

ブラシを片手に、はちみつ色の髪をくるりと束ねて、アップにした。

白いレースの飾りが大きな蝶のようにとまり、垂れたリボンがひらひらする。

「あんたも年頃の娘なのだから、このくらいは・・」

スーはポケットから、紅の入った小さな丸い容器を取り出した。

「こっちをむいてごらん」

小指で紅をすくい、クレルの唇の上にのせて軽く引いた。

スーはクレルの顔を確認して、満足げに

「ほら、かわいらしいじゃないか。鏡を見てごらん。
今度のお祭りでは、誘ってくる男もいるんじゃないか?」

スーの軽口に、クレルは壁にかかっている鏡を見た。

ああ、これは母だ。

それも若い・・・私は・・・母そっくりだ。

「好きな男がいるのかい?」

好きな男・・・その言葉に、リーフェスト公の顔が一瞬よぎった。

唇に触れた、あの瞬間。

「いえ・・いません」

そう言いながら、クレルは赤くなった。

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