グリフォンの恋人・神官と王族とワンコの三角関係?・クレルとリーフェスト公
クレルは、驚いてリーフェスト公の顔を見た。

この人の母も・・・王宮内の軋轢(あつれき)、権力争いの犠牲者だったのか。

しかし、彼の表情は変わらず、他人事のように話を続けた。

「サンサザール神官は、領主たちとうまくいっていなかった。
今までの神官のように、金では動かず、自分たちの利にかなうような動きをしなかったからだ」

リーフェスト公は、クレルに挑むような視線を投げかけた。

「神殿に戻れば、おまえの命も狙われる危険性がある。サンエクレール最高神官殿」

「私は・・どうすれば・・ここを出て行けばいいのですか?」

クレルは聖典をだきしめて、恐る恐るリーフェスト公を見た。

リーフェスト公は、ベッドのそばでお座りをしているグリフォンの頭を軽く叩いた。

「お前が出て行けば、グリフォンも一緒についていくだろう。が、それは困る」

そう言うと、書棚の下の扉を開けて、赤ワインの瓶とグラスを取り出した。

「少し、飲んだほうがいい」

リーフェスト公は、自分のグラスにはなみなみとついで、少なめのグラスをクレルに差し出した。

そして唇を湿らすように、一口飲んだ。
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