グリフォンの恋人・神官と王族とワンコの三角関係?・クレルとリーフェスト公
リーフェスト公は相変わらずの無表情で、クレルと目を合わせずに言った。

クレルはうつむいて、目をゴシゴシこすった。

マントを羽織ると月桂樹の香り、森の匂いがする。

グリフォンは、リーフェスト公とクレルの間に無理やり体を入れると、クレルのひざに顎をのせた。

「聖典を持ってきた。あと、これを」

そう言ってリーフェスト公は、懐から二つ折りの紙を取り出した。

「クルートのアトリエにあったのだが」

木炭で、素早く描かれたであろうデッサン。

父、オーギュスト・サンサザールが笑顔で、幼いクレルを抱っこしている木炭画。

母、ミルラの描いたものに間違いない。

「お前は・・・両親に愛されていたのだな」

クレルはこみ上げる想いを胸に抱いて、そっとリーフェスト公の横顔を見た。

愛されていた・・って、あなたは?

エメラルドグリーンの瞳は、何の感情もうつさず、真っすぐに前を向いていた。

「別荘に着いたら、今までのような仕事はしなくていい。
お前の事を知っているものは、いないからな。

使用人には、私の知り合いの娘で、病気の静養のために来た、ということでどうか?」

「はい・・」
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