グリフォンの恋人・神官と王族とワンコの三角関係?・クレルとリーフェスト公
「まったく、君はこれに目がないな」

「そうね、私の体の半分は、これでできていると思うのよ。
産まれる前はね、そうね。ジンジャービスケットだったかもしれない」

ミルラの明るく笑う声が・・・

「ううううう・・」

クレルは肩を大きく波打たせて、号泣していた。

甘く、懐かしい家族の断片、その記憶が手から、指の間から、滑り落ちていくようだ。

「お、おい、大丈夫か・・」

リーフェスト公が馬を止めた。

「その、私は・・きつい言い方をしたのは謝るが・・・」

その声はうろたえているようで、彼にとっては想定外の反応だったのだろう。

「うううう、ぐぐ・・違います。
この香りで、母の事を思い出してしまって・・・」

泣くのを、我慢しなくてはいけない・・

それはわかっているが、涙がとめどなくあふれてしまう。

リーフェスト公はためらいを見せたが、片手をクレルの肩に置き、軽く抱き寄せた。

その瞬間、クレルはどうしようもなく、リーフェスト公の胸にしがみついて、泣いていた。

「ううう、ああああああ・・・・」

リーフェスト公はその手を、壊れそうな砂糖菓子に触れるように、クレルのはちみつ色の頭に添えた。

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