柩雨夜 ―終わらぬ梅雨、願わくば君に愛と枷を―
「ん……」
「ごめん、まだ残ってた。もう一回だね」
悪戯っぽい表情を浮かべ、薬湯入りの湯呑みを視線で示しながら動くあなたの唇は、今にも私のそれと触れ合ってしまいそうだ。近距離からかかる吐息が孕む熱のせいで、おかしな声が零れそうになる。
完全に溺れている。幾度も男に騙されては傷ついてきた記憶すら、あなたのせいであっさり薄れて消えてしまう。
あなたが好きだ。好きで好きで、おかしくなりそうなほど。
深く口づけてほしい。骨が軋むまできつく抱き締めてほしい。身体も心も、すべて支配してほしい。
もうなにも考えられなくなるくらいに、激しく私を抱いてほしい。
口移しを終えてそっと腕を撫でた後、決まって、あなたは私の身体に残る痣をひとつずつなぞる。
大して痛みを感じなくなったお腹や大腿にも指を這わされる。赤く染まっているだろう私の頬を眺めては、あなたは心配そうに目を細めつつも満足げに微笑んで、同じ場所に唇を寄せる。
昼も夜もなく、唇を重ねては肌を重ねる。爛れた日々を送っている自覚はある。それでも、あと少しだけ――私の考えは必ずそこへ辿り着いてしまう。
「ごめん、まだ残ってた。もう一回だね」
悪戯っぽい表情を浮かべ、薬湯入りの湯呑みを視線で示しながら動くあなたの唇は、今にも私のそれと触れ合ってしまいそうだ。近距離からかかる吐息が孕む熱のせいで、おかしな声が零れそうになる。
完全に溺れている。幾度も男に騙されては傷ついてきた記憶すら、あなたのせいであっさり薄れて消えてしまう。
あなたが好きだ。好きで好きで、おかしくなりそうなほど。
深く口づけてほしい。骨が軋むまできつく抱き締めてほしい。身体も心も、すべて支配してほしい。
もうなにも考えられなくなるくらいに、激しく私を抱いてほしい。
口移しを終えてそっと腕を撫でた後、決まって、あなたは私の身体に残る痣をひとつずつなぞる。
大して痛みを感じなくなったお腹や大腿にも指を這わされる。赤く染まっているだろう私の頬を眺めては、あなたは心配そうに目を細めつつも満足げに微笑んで、同じ場所に唇を寄せる。
昼も夜もなく、唇を重ねては肌を重ねる。爛れた日々を送っている自覚はある。それでも、あと少しだけ――私の考えは必ずそこへ辿り着いてしまう。