御曹司ですが、日本で恋活します


「わ、びっくりした。
 あ、おはようございます…」

 ここちゃんの艶やかなおかっぱの髪型がいきなり目に入ってくる。
 俺の好みのビジュアルは、きっと、あの子供の頃に形作られた。
 前髪を真っ直ぐに切り揃えたここちゃんは、あの日本人形の化身なのかもしれない。
 もうあり得ないくらいに可愛らしい。

「おはようございます。
 あの、ジンさんが今日が初めてなので、迷ったらいけないと思ってここで待ってたんです」

「あ、そうなんですか…
 ありがとうございます…」

 もう泣きそうだ。
 とりあえず今持っている段ボール箱を温度調節されたスペースに置いて、そして、また取りに行こうとするとここちゃんが業務用カートを押して来てくれた。

「何度も運ぶのは大変だから、このカートを使ってくださいね。
 私も手伝います」

「あ、はい…
 ありがとうございます…」

 思わず声が上ずってしまう。
 ティーンエイジャーか、俺は。

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