御曹司ですが、日本で恋活します


「ジンさん、アメリカの人には見えないってみんなで話してたんですよ」

「よく言われます」

 ここちゃんはカートを押している俺の顔を覗き込んだ。
 俺の心臓が飛び跳ねた。
 もう即死案件だ。

「髪の色も瞳の色も黒色に近いし、顔の雰囲気もイケメンな日本人みたい。
 日本語だって綺麗な敬語も使えるし」

 ここちゃんの顔だって、本当に可愛らしい。
 特に近くで見てなおさらそう思った。

「男だけの三人兄弟なんだけど、俺が一人で日本のDNAを受け継いだ感じ。
 見た目もそうだけど、マインドも日本人っぽいんだ」

「例えば?」

 ここちゃんはつぶらな瞳をキラキラさせてそう聞いてくる。
 俺は車の中の段ボール箱をカートに載せながら、ちょっと考えてみる。
 例えば?と聞かれたら何も頭に浮かんでこない。

「例えば…
 日本の街並みや風景が好き。
 奥ゆかしいところとかゴミとか落ちていない綺麗なところとか」

 ここちゃんは人差し指を口に当てて首を傾げて何か考えている。

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