御曹司ですが、日本で恋活します


「初めまして、ジン・アンダーソン様でいらっしゃいますか?」

 会社に入った途端、女性がそう声をかけてきた。

「あ、はい」

 俺が驚いてそう答えると、その女性はホッとしたように微笑んだ。

「よかった…
 道に迷ってるのかと心配してました」

 黒色のパンツスーツを着こなした女性は、目を引くほどの美しさだった。
 愛嬌のある大きな瞳は吸い込まれそうだ。
 明るめのブラウンの髪はハーフアップでまとめていて、きっと、今風の美人なんだろうと思った。

「すみません。
 ちょっとだけ車が混んでて」

 俺は腕時計を見て困ったように肩をすくめた。
 そんな俺につられたのかその女性も肩をすくめる。

「あの…
 自己紹介してもよろしいですか?
 私は芝麗香といいます。
 社長、あ、お父様への取り次ぎの仕事を主にしています。
 よろしくお願いいたします」


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