御曹司ですが、日本で恋活します


 俺はその名前を聞いてハッと思い出した。
 日本へ行く前に父親がレイカが何とかとか話していた。
 その日は家族全員が集まって俺の送別会のパーティをしてくれている時で、父親が何か話していたけれどよく聞こえなかったし、俺も酔っていたからあまり覚えていない。

「レイカさんですよね?
 父のほうから話は聞いています」

 それは事実だ。
 覚えているかは置いといて。
 レイカは嬉しそうに微笑んで俺に軽く会釈をした。
 日本人ってよくお辞儀をする。
 子供の頃、その事について母親に聞いた事がある。

「丁寧にお辞儀をする人に悪い人はいないし、若い子でちゃんとお辞儀ができる子は本当に本当にいい子だと思う」

 母親の言葉が真実ならばレイカはいい子に違いない。

「お父様からのメールは目を通されましたか?」

 奥のたぶん社長室みたいな部屋に通された俺は、レイカの質問に黙ってしまう。


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