辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 そっと扉を開いて、中の様子をうかがう。ラウガルトはもう帰宅しているから、執務室にいるのはリュディアだけだった。

「陛下、まだ起きてるんですか?」
「トーリ、子供は寝ている時間だろう。どうした?」
「いっぱいお昼寝したからかな。眠れなくて」
「子供は寝るのが仕事だ。早く寝なさい」
「陛下は?」
「私は、眠れないんだ。だったら、仕事をしていた方がいい。やらねばならないことはたくさんあるのだから」

 たしかにリュディアの前にはたくさんの書類が積み上げられている。各地からの報告書に、手紙の類。

(寝た方がいいんじゃないかなぁ……)

 世の中にはごくごくわずかな睡眠時間で足りる人もいるというが、リュディアの様子からすると彼女はそういうタイプではない気がする。
 会話の間も、げっそりとしていたから。
 ぱたりと扉を閉じたトーリは、一度自分の部屋に戻ってから、厨房に向かった。

「トーリ殿、どうかしたのか?」

 と、声をかけてくれたのは見回りをしている騎士だ。ここは皇帝が暮らす場所なので、こうして夜番の騎士があちこち警戒している。

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