辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 自分の選んだ道が、茨道であることぐらいわかっていたつもりだった。それでも、こちらを若い女性とあなどる貴族達。父の政策から外れようとすれば、『先帝の意志をなかったことにするのか』と言われたこともあった。
 そんな中でも、アルヴァリクがいてくれればやっていけると思っていたのに……。

(彼の本性を見抜けなかったのが、私の敗因なのだろうな)

 アルヴァリクが望んでいたのは、皇配の地位ではなく、皇帝の座そのもの。リュディアをひそかに暗殺し、自分がその地位につくことを画策していた。
 その企みに気づけたのは、ラウガルトがいてくれたからだ。だから、アルヴァリクを追いやった。
 グラス公爵家にも謹慎を申し渡し、あの家の権力を削ぐことにした。だが、それでもまだ甘かったらしい。

「陛下、まだ熱くて飲めない?」

 こちらを見上げるトーリは、すでにカップの中身を半分空にしている。リュディアは、受け取ったカップに視線を落とした。
 ホットミルクの甘い香り。そっと口に運べば、そこに蜂蜜の甘さが加わる。

「これは……美味だな」
「でしょー! レーケからもらった蜂蜜を入れてあるから美味しくて当然!」

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