辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 どうしよう。キヴィが精霊達と仲介してくれるというのが今回の計画の胆だったのに。
『坊主、そこの木の精霊が話をしてもいいと言ってくれている』

 キヴィに呼ばれて近づいたのは、薬草園のすぐそばにある大きな木のところだった。豊かに葉を茂らせていて、近づくと葉が影を作ってくれて気持ちいい。
『薬草園の手入れをする者の中に、人を害そうとしている者がいるわ』

 木の精霊は、綺麗なお姉さんだった。緑の葉を飾りにつけた茶色のドレスがよく似合っている。髪は葉の色を示すように緑色をしていて、ところどころに白い花が飾られていた。

「人を害する……?」

『ええ、薬草園の花の中に毒草が混じっているの。もちろん、毒草にだって役目はあるのよ? でも、ここに植えられている薬草達の精霊と毒草の精霊は仲が悪いから……』

 そんな、精霊の間にも派閥のようなものがあるのか。まったく関係ないところでトーリが感心していたら、木の精霊は、薬草園の方を指さした。
『それで、薬草の精霊達が怒ってしまったの。彼女達が他の薬草のところに行ってしまったのが、元気のない理由ね』

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