辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 と語る少年は、現在十五歳。庭師のうちの一人の親戚で、今までは親の家で修業してきた。なかなか筋がいいということで、この度皇宮の庭師見習いとして引き立てられたそうだ。

「これからは、毒草には十分注意するように。他に気づいたことは?」

 まだ半分子供のような年齢の少年が相手なので、ラウガルトの口調は他の庭師達に対してのものよりいくぶん優しい。その様子にほっとしたのか、見習いの少年はわずかに身を乗り出した。

「あの、薬草園長が貴族っぽい人と話をしていて……」
「貴族っぽい人? ねえ、どんな顔をしていたかわかる?」
「ええと、顔はわからない。でも、ラウガルト様よりは年上だった……明るい茶色の髪で、ごめんなさい。目の色はわからない。薬草園長に何か渡していて、薬草園長は怖い顔をしていた」

 トーリに問われた少年は、ぽつぽつと思い出したことを語ってくれる。いわく、薬草園長は最初は断っていたようだけれど、何か言われてしぶしぶとそれを受け取っていた、と。それが何なのかまではわからなかった。

「そうか。貴重な情報だ。感謝する。このまま仕事はできるか?」

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