辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 ラウガルトの問いには、首を横に振る。それはそうだろう。上司にあたる人を告発した形だ。それも、皇帝の薬草園に毒草が混ざるというありえない事件で。

「では君と親戚の者はこちらで保護しよう。何かあったら困るからね」
「……え?」

 そこまで大事だとは思っていなかったようで、少年は目を丸くした。それから、泣きそうな顔になる。

「それって、おじさんに迷惑をかけることになる……?」
「いいや、貴重な証言だ。それだけに、君やおじさんに何かあっては困る。貴族というのは――恐ろしいものなのだよ」

 と語るラウガルトの言葉には、真剣なものが込められていた。貴族がどんなものなのか、ラウガルト自身、身を持って経験済みだ。いや、ラウガルトも貴族として生まれ、貴族として育ってきたのだろうけれど、彼が想像もつかないような手を打ってくる相手もいる。

「……そうか。それなら、お願いします」

 少年は、素直に頭を下げた。

「薬草園長を揺さぶっちゃう?」
「キヴィ殿に手を借りられるのであれば、それがよいかと」

 怪しい人を見つけるまでは大変だけれど、見つけてしまえばあとは簡単だ。
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