辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
「侍医だな、侍医を呼べばいいのだな? トーリ、死ぬな」
「陛下、落ち着いてください。まずは診察です」

 なんだか、リュディアが焦っているように聞こえるのだが気のせいだろうか。ラウガルトの腕に抱えられて運ばれて、なんだか眠気がやってくる。
 そのままトーリは寝室に運ばれたけれど、その時にはすっかり眠りに落ちていた。

 ◇ ◇ ◇



「過労でございますな」
「過労? そんな、無理に働かせていたわけではないぞ。先ほどまでトーリも元気だった」
「陛下……親元から離れ、陛下のお側で生活しているのです。ずっと気を張っているでしょうから、疲労が蓄積してもしかたないと存じますが」

 リュディアの侍医は、子供の頃からずっと診察してくれていた老人だ。経験豊富で、穏やかな人柄であることから、子供のいる貴族に往診を頼まれることも多い。

「疲労……疲労か……」

 無理を、させているつもりはなかったのだ。だがそれは「つもり」であって実際には無理を重ねさせていたのだろう。
 トーリの能力は帝国でもまれで貴重なものだ。いや、今までに、類を見ないスキルである。
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