辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 彼が楽しそうに、魔物達や精霊達と会話をかわしているものだから、こちらもついつい気安く頼んでしまったかもしれない。

「陛下にはお子がおられませぬからな……子供の事情がわからなくとも当然です。身近に子供がいる者もラウガルトぐらいでしょうし」
「そうだな……」

 リュディアとて、子供を可愛いと思う気持ちぐらい持ち合わせている。子供は、将来国を支えていく存在となる。
 だからこそ、家族のいない子供を養育する施設への寄付金も惜しまなかったけれど、一番身近なトーリに対する思いやりがまったく足りていなかった。

(……この点は、反省しなければならないな)

 トーリにたずねても「大丈夫」としか言わなかった。それを過信したのも敗因だろう。
 ラウガルトも、トーリに対する謎の信頼感があるようで、休むようにとあまり口を酸っぱくして言うこともなかった。

「一週間は養生が必要です。熱が下がっても、しばらくは『お仕事』はさせませんように。回復薬は、子供には使えませんからな」

 発熱を抑える薬も、一気に体調を回復させる回復薬も、今のトーリには逆効果だというのが医師の診察結果だった。

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