辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
「わかった。しっかり養生させる」

 侍医は、幼い頃からリュディアを見ているだけに今のリュディアが少々落ち込んでいるのも理解している。自分のなすべきことがわかったのも、理解しているのだろう。
 だからこそ、彼はこれ以上、リュディアに口うるさく言うことはなかった。病人の看護に必要な指示を出してからすぐに引き上げていく。

「……今日の予定はもうなかったな?」
「はい。面会の予定は終了しております」
「では、残っている書類はここに運んでくれ」
「かしこまりました」

 診察を終えたトーリは、先ほどよりもずいぶん熱が高くなっているようだ。目を閉じてぐったりとしてしまっている。
 こうなってしまうと、あとは本人の体力次第というところになる。

「レーケか。トーリに回復薬は出せないのか? メディックビーの回復薬ならば、どうにかなるのではないか?」

 トーリの枕元には、いつのまにかメディックビーのレーケがいた。トーリの側でぶんぶんと羽音をさせてはいるが、リュディアとは直接話をすることはできない。
< 167 / 266 >

この作品をシェア

pagetop