辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
「辺境伯家にふさわしいスキルを授からなかったのだから、しかたないですね。きっと、神もあなたには価値がないと判断したのでしょう」

 そういう侍女の目には、こちらを嘲(あざけ)る色が浮かんでいた。五歳児相手に、何を言っているのだろう、彼女は。
 運ばれてきた食事も、今までの貴族らしいものとはまるで違う。野菜のスープとパンだけだ。たぶん、使用人のまかないと同じものだ。肉の風味はするから、肉は使用人の皿に入っているのだろう。

(食事を与えられるだけ、ありがたいと思わなくちゃ)

 少なくとも、パンにカビが生えていたり、スープに傷んだ食材を使われたりしているわけではない。味だって、辺境伯家の料理人が料理したものだ。最上級の食材ではないだろうが、充分に美味しい。量もそれなりにたっぷりとある。
 ゆっくりと食事をしながら、トーリは自らの思考に沈んでいた。
 ――テイム。
 動物や魔物を調教できるスキルだと言われているけれど、それだけではない気がする。というのも、前世の物語では同じ『テイム』という言葉が使われていても、その解釈は作品によって大きく違った。
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