辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 どんな強力な魔物でも支配できる強い力だったり、最弱の魔物としか契約できないけれど、常識では考えられない数の魔物と契約できたり。
 だから、辺境伯家では望まれない力だったとはいえ、悲観的になる必要もないのだ――なんて、甘すぎるだろうか。少なくとも、能力を鍛えてみてから答えは出したい。

(それが無理なら、家を出るっていうのもありだな。もちろん、今すぐじゃないけど)

 トーリは手をぎゅっと握りしめた。小さくて、柔らかな手。今まで、労働したことのない手だ。
 今すぐこの屋敷を出て行ったとしても、生き延びることができるとは思えない。
 だから、せめて十二歳になるまで。それまでの間は、与えられた環境で過ごすのがいいだろう。
 この世界では、十二歳で成人と認められる。貴族はもう少し長い間、家庭だったり、王都にもうけられている貴族学院だったりで学ぶものだが、平民となれば十二歳で働き始める者が多い。

(それに、冒険者になれるのもたしか、十二歳からだったな……)

 まだ五歳のトーリは、この世界について詳しく学んでいるわけではない。家庭教師もついていないし、剣術の教師もまだだ。
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