辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
「お前のようなものに、帝位を継がせるわけにはいかない。これは、私の帝国に対する忠誠心だ」

 と、男は自分に寄っているような情感たっぷりの声で続けた。
『嘘だな。こいつの主は、帝位継承権を持っている家の者だ』

(わお! さすが、キヴィ、仕事が早い!)

 トーリと男が話をしている間に、キヴィは情報収集を始めていたようだ。地上のことならば、キヴィに任せておけば安心である。
 どうやら男は帝位継承権を持つ家の一族――それも、かなり近いところにいる家の関係者。リュディアの次に、自分の主が皇帝となることを望んでいたようだ。
 主から、トーリを排除するように命じられていたわけではない。だが、『主君が帝位を狙うのに邪魔な相手』『帝国の血を持たない者を皇帝の側から排除する』ということで、自分の忠誠心を示しているつもりだったらしい。
 忠誠心が厚いのはけっこうなことだが、それを弱者を排除することでかなえようとするのはいかがなものか。

「……それにしても、私も侮られたものだな」

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