辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
「……そうですね。陛下がそうご希望でしたらなんとかいたしましょう」

 渋い顔をしながらも、リュディアの言葉は断らない。ラウガルトの苦労がしのばれる。
 ガイストの力を借りれば、村までは一瞬で行ける。だが、さすがに皇帝がひょいひょい現れては村人もびっくりするだろうし、道中宿泊する地域にお金を落として経済を循環させるのも皇帝にとっては大切な仕事である。
 というわけで、正式に皇帝の視察という形式を整えて、開拓村に向かうことになった。朝、馬車が出発するとリュディアはガイストと共に皇宮に戻る。
 その日の仕事で皇帝の署名が必要な書類や会議などを済ませ、可能であればまた馬車に戻ってくる。それが無理な場合でも、夕方には宿泊地で合流し、地域の権力者と交流してから次の宿泊地へ。

「毎回こうできれば楽でいいのだが」
「僕が同行していないと、ちょっと難しいですね、それは」

 ガイストは、トーリのいる場所に基本的に戻ってくる。馬だけを進めても、トーリがいなければガイストは視察団のところに戻れないのだ。

(……それにしても、陛下が来る必要はなかったんだけどな)

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