辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
『坊主には難しかったか。それなら、こっちはどうだ?』

「キヴィ! どうしたのさ?」

 不意に現れたキヴィが、トーリの服を引っ張る。何があるのかわからなかったけれど、キヴィがニコニコとしているので、トーリはまた彼について歩き始めた。
 リュディアとラウガルトも、もちろん後を離れずついてくる。すぐ横にいるガイストは、尾を左右に振りながら跳ねるような足取りで進んでいる。こういうところはちょっと犬っぽい。
『坊や、この岩の上に素敵なお花があるのよ。群れの子達を行かせてもいいかしら?』

「もちろん! レーケの好きなようにしていいよ。僕には、その花の活用方法とかまったくわからないしね」

 美味しい蜂蜜を作れる花が、崖の上の方にあるようだ。レーケはブンブンと羽音を残してそちらに向かった。
 その間もキヴィは休むことなく進んでいく。大人がやっと通れるほどの岩の隙間を潜り抜け、さらに複雑にくねくねと曲がっている岩の間の通路を進む。
 身体の大きなラウガルトは、途中でだいぶ苦戦しているようで、遅れてしまった。

(あれ、少しずつ上ってるかな……?)

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