辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 しばらくの間、二人はお茶の時間を楽しみながら、中庭の景色を眺めていた。ラウガルトは甘いものには手を伸ばさず、茶だけを口に運んでいる。
 いつの間にか、ガイストは敷物の端で丸くなっていた。時々パタンパタンと尾を揺らしているから、眠っているわけではなさそうだ。

「ねえ、トーリ君」
「なに?」
「キヴィって、どこにいるの? ノームのキヴィもトーリ君のお友達って聞いているわ」
「キヴィ?」

 そう言えば、今日はまだキヴィには会っていない。

「キヴィ、いる?」

 呼びかけると、ベンチのすぐ脇の土がもこりと盛り上がった。それから、赤い帽子をかぶった小さな老人の姿が土の中から顔を出す。

「まあ! 本当に、絵本で見たノームそっくりだわ!」

『騒々しいな……と、ラウガルトの娘か』

 キヴィは、エルヴィの方に手を伸ばす。こわごわとエルヴィも手を伸ばし、二人の指先が触れ合った。エルヴィの目が丸くなる。

「……えっと、こんにちは。あなたもあの時、わたしを守ってくれたの?」

『まあな。坊主の楽しみだからな』

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