辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
第八章 交渉の終わりと、おかえりと言ってもらえる場所
知らせが届いたのは、これからもずっとここでの生活は続くと思っていた、そんな日のことだった。
 トーリが家庭教師との授業を終えて廊下を歩いていると、足元からひょいとキヴィが顔を出す。キヴィいわく、『地面と接している建物ならば、どこまでもノームは姿を見せる』だそうだけれど、彼の方から顔を出してくるのは珍しい。
『坊主、ちょっといいか』

「キヴィ? どうかしたの、そんな顔をして」

 赤い帽子の下から覗くキヴィの顔は、いつもの気難しい表情とは少し違った。話を持ちかけてはきたものの、どう切り出せばいいのか迷っているようだった。
『……王国の動きを聞いてくれるか』

「うん、話して」

『ラプハート辺境伯家が、兵を集めている。国王の名のもとに、だ』

 トーリの背筋がひゅっと冷たくなった。今まで、ラプハート家はトーリには関わろうとはしなかった。
 トーリがリュディアの元を訪れてから何度か小競り合いがあったとは聞いているが、すべて撃退している。なにしろ、兵士だけではなく、魔物達も協力しているのだ。
< 234 / 266 >

この作品をシェア

pagetop