辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
「繋がっているとすれば、厄介だな。王国の兵だけが相手なら話は早い」

 話は早い、と言った時のリュディアの顔は、まぎれもなく一万の兵を率いてきた女帝のものだった。
 トーリが彼女の天幕に乗り込んだあの夜、ランプの光の中でこちらを測るように見ていた目。その目が、今は遠くを見ている。

「……私が甘かったのかもしれない。アルヴァリクも、エルマーグも、従兄弟だ。私の身体に被害はなかったからと追放ですませた……あの時、アルヴァリクを追放したあの時に」
「陛下……今それを言っても、過去は変わりません」
「そうだな。ラウガルト、そなたの言うことは正しい」

 ラウガルトはやんわりと口を挟んだけれど、それでリュディアには十分だったようだ。

「では、前を見ましょう。今、何をすべきかは明確です」

 はぁと息を吐きだしたリュディアは、表情をきりっとしたものに変えた。それから、背筋を伸ばして椅子に座り直す。

(ラウガルトさんって、こういう時に強い)

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