辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 リュディアは立ち上がり、アルヴァリクを見下ろした。

「アルヴァリク。お前は、今度こそ私を殺すつもりでいたのか?」

 答えはなかった。だが、それが彼の答えだ。
 この男を愛していた頃のリュディアは、この結末を想像したことがあっただろうか。きっとなかった。だから裏切られた時にあれほど揺れた。
 今は違う。
 リュディアが愛すべきものは、帝国と、そこに生きる民だ。それはあの裏切りの後、リュディア自身で決めたことだった。

「アルヴァリク・グラスをはじめとしたグラス公爵家の者達、および帝国内の協力者達。爵位、財産、すべて没収の上、北方魔物討伐隊への強制編入とする。生きて帰れるかどうかは、腕次第だ」
「……相変わらずだな、リュディアは。甘い。俺が次の機会を狙わないとでも?」

 その判決にアルヴァリクは眉を上げた。どこか面白がってもいるような顔だ。
 この男の目に映るリュディアは、かつてのリュディアとまるで変わっていないらしい。

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