辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
「ガルナ将軍……後任のホルト将軍が、支部の設置を申請してくれたんだって。採掘の護衛依頼が多いからって聞きました」
「あの男、仕事が早いな」

 満足そうなリュディアの声を聞きながら、トーリは視線を村の中に走らせた。
 石畳が敷かれ始めた目抜き通り。木材を積んだ荷馬車が行き交い、半分骨組みだけの建物があちこちに立ち並んでいる。
 その合間を縫うように、シャドウウルフ達がのんびりと歩いている。ガイストの群れは、もう村の人々にとってすっかり見慣れた存在らしい。通りかかった子供が声をかけると、仔狼達は一緒になって遊び始めていた。
 ガイストが最初にトーリと誓約を結んだ夜のことを覚えている。
 野営地で、護衛の冒険者に金銭を脅し取られかけていた時、シャドウウルフの群れに囲まれて、心臓が止まりそうなほど怖かった。

「領主様! リュディア陛下!」

 声が飛んできたのは、馬を村長の屋敷の方へと進め始めた時だった。
 村長が向こうで手を振っているのに気づく。以前より、ちょっぴり太ったような。

「お待ちしておりました」

 村長は目を細めた。その目が、じわりと潤んでいる。

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