辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 薬といえど、飲みすぎれば大変なことになるのをトーリは知っていた。
 メディックビーは、魔物にしては人間に対して友好的な魔物で、こちらから攻撃しなければ、あちらから攻撃してくることはないそうだ。
 ブンブンとトーリの周囲をメディックビー達が舞う。羽音は少し怖いが、丸っこい体に大きな目をしているから、本格的に怖いというほどではない。
 トーリの手のひらよりは大きい。肩に乗ったかと思うと、頬にスリスリし、また飛び立っていくものもいる。

「近くに巣を作ってくれたらいいねぇ」

 トーリがそう口にした時だった。何かに気づいたように、キヴィが空を見上げる。
『坊主、あれは女王蜂のようだぞ』

「女王蜂? 外に出ちゃっていいの?」

 前世の記憶からすると、女王蜂というのは基本的に巣から出ないのではなかったか。分蜂の時は外に出るけれど、それ以外はひたすら卵を生んでいると聞いたような。
 前世の記憶だし、前世の昆虫と一緒にしてはいけないのかもしれない。
 おーい、とキヴィが女王蜂に向かって手を振る。すると、キヴィの招きに応じたかのように、女王蜂はこちらに近づいてきた。
『どうした、分蜂か?』

< 48 / 159 >

この作品をシェア

pagetop