辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
『いいえ、私の群れはそこで暮らしているわ。今日は、天気がいいから散歩に出たの。近くに素敵な薬草の群生地があると聞いて』

『儂らが手入れしているからな。蜜を持っていくのはかまわんが、どうだ、儂らと手を組まないか?』

『手を組む……あらあら、まあまあ』

 キヴィと話をしていた女王蜂の顔がこちらに向けられる。黒くて大きな目でじっと見られ、トーリはもじもじとした。
 女王蜂は、他の個体よりも二回りほど大きい。だが、恐怖は感じなかった。女王蜂の声が優しくて、まるで母親のもののように思えたからだろうか。
『可愛い坊やね。坊やは、私達に何をくれるかしら?』

「……えっと、お花の蜜? 美味しい蜜が作れるように、村の人達に頼むよ! キヴィにも!」

 トーリが美味しい花を作れれば問題なかったのだが、残念ながら畑仕事をするには力が足りない。なので、村の人達とキヴィにお願いする。

「それじゃ駄目かな……? 僕が大人になったら自分で畑を作るけれど、今はちょっと難しいんだ」

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