辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 ラウガルトはまだ反対しているようだが、女帝は肩をすくめただけ。女帝というか女傑が正解かもしれない。

「そなた、身体が動かぬのであろう? であれば、トーリとやらは、優れた魔術師かもしれぬ。子供の姿を見せているのは、こちらを油断させるための手ではないかな」

 この判断は、思いきり間違えているけれど。トーリは優れた魔術師ではなくテイマーだ。もし、魔術師としての才能を授かっていれば、辺境伯家から追い出されることはなかっただろう。

「残念ながら、僕は正真正銘五歳ですよ。まあ、ちょっといろいろあって、子供時代は奪われちゃったんですけど。お話を聞いていただけるのはありがたいですね」

 これは、皮肉ではなくトーリの本音。目の前のラウガルトの麻痺が解けたら、トーリなんてあっという間に首をひねられてしまう。物理的な意味で。
 兵士達が駆けつけてこないのをリュディアが疑問に思っているようなので、メディックビーのレーケを紹介する。
 レーケ達メディックビーは、毒も薬も生成できるのだ。人間の作る治療薬とは違い、手足を再生させることぐらいならできるらしい。さすがに死者蘇生は無理だそうだけれど。
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