辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 リュディアが油断していないのを知っているガイストはグルルと唸るが、トーリは彼の背中に手を置いてなだめた。大丈夫、ここから先はトーリの仕事だ。

「……トーリとやら、何が目的だ?」
「そう怖い顔をしないでください。僕の提案、陛下にとっても悪いものじゃないと思いますよ?」

 ラウガルトがまだこちらを睨んでいるので、首をかしげておく。我ながら可愛い表情ができた。可愛いは正義だと前世で誰かが言っていた。

「言ってみろ。聞くだけ聞いてやる」

 ラウガルトは耳を貸さないようにとリュディアを止めるが、一応話を聞いてくれるらしい。レーケの使った麻痺毒が切れる前に、話をしてしまおう。

「悪い話じゃないって言ってるでしょ――陛下、僕の領地を王国から分捕りません?」
「――は?」

 リュディアの顔から表情が抜け落ちた。トーリの言葉が信じられないらしい。

「領地を分捕る……だと?」
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