辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
「あのですね、彼は娘さんを人質にとられ、この戦で戦死したように見せかけて陛下を殺すようにと脅されているんですよ」
「……だからか」

 リュディアの目が、ラウガルトに向けられる。ラウガルトは、俯(うつむ)いたまま顔を上げることができないようだった。
 トーリは知っていた。娘を人質に取られ、リュディアを殺すよう言われながらも、ラウガルトは実行する決心ができなかったことを。
 皇都を出発してこの国境地域に来るまで、いつもとは違って精彩を欠いていたのはそのせいだ。
 まあ、こんなことを知っているのもキヴィ達がリュディアの寝室に入り込んで彼女の独り言まで聞いていたからだけど。

「では、トーリ。そなたは何を望むのだ?」
「僕のお願いは、僕の領地を帝国領にして、村人を守ってほしいなってことだけですよ。あ、うちの領地なかなか将来有望ですよ?」

 一応、帝国領にして損をさせるわけにはいかない。キヴィにお願いして、開拓地の土地についても調べてもらっている。ちょっと上流の方に行くと、貴重な鉱石があるらしい。
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