辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
「僕、トーリ。それから、ガイストとレーケと……あれ、キヴィは? ああ、そこにいたのか」

 こちらに向かって歩いてきたエルヴィは、トーリの肩にいるレーケ、それからガイスト、ガイストの足元にいるキヴィと交互に視線を走らせる。

「……大きい! 撫でてもいい?」

『我はかまわんぞ、ただし、そっと撫でるように言ってくれ』

「彼は、シャドウウルフのガイスト。撫でてもいいけど、そっと撫でてほしいって」

 どうやらガイストは、意外と面倒見がいいらしい。嫌な顔一つせず、エルヴィの前で身体を低くした。小さな手が遠慮なく、でも優しく毛皮の上を滑っていく。

(……ま、あとはグラス公爵家の始末さえつけばいいよね)

 エルヴィはガイストに夢中で気づいていない様子だったけれど、トーリの視線の先では、ラウガルトが何度も詫びの言葉を口にしている。

「一度だけ許す。次はない」

 リュディアがそう告げるのが、トーリのところまで聞こえてきた。

 公爵夫妻とエルマーグは、公爵家の大広間に運び込まれていた。三人とも縛り上げられている上に寝間着のままなので威厳もなにもあったものではない。

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