辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
「――どういうつもりだ!」

 と、リュディアに食ってかかったのは公爵だった。
 公爵はリュディアの叔父だが、公爵夫人も皇帝一族の血を引いているのかもしれない。二人ともリュディアと同じような色合いの金髪に、青い目をしていた。
 二人の間に生まれた息子であるエルマーグもまた、リュディアとどこか面差しが似ている。彼は、リュディアの方に鋭い目を向けていた。

「幼い子供を誘拐し、父親を脅すとは……」

 吐き捨てるようなリュディアの口調にも、彼らは動じた様子など見せなかった。公爵など、ふてぶてしいほどに口角を上げている。

「そなたが、国をまとめられないからだろうが。アルヴァリクとおとなしく結婚しておけばよかったのだ」
「それで、私の命を渡すのか? 帝位だけではなく?」

 リュディアの手が腰に伸びる。そして、そこに下げていた剣を引き抜いた。しゅっと鋭い音を立てて、剣が振り抜かれる。
 剣先が公爵の鼻の先をかすめ、公爵はおとなしく口を閉じた。

「――叔父上、何が気に入らなかった? そんなに帝位が欲しかったのか?」
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