辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 公爵夫人は、かつて皇女が国外に嫁いで産んだ娘の子孫だ。殺してしまったら、彼女の母国が黙ってはいない。
 爵位と財産を取り上げ、帝国から追放することで手を打つしかなかった。きっと、公爵夫人の生家に身をよせるのだろう。
 アルヴァリクも、一時身を寄せていたのをリュディアは知っていた。
 そう、リュディアは甘いのだ。アルヴァリクを殺せなかった。彼は、リュディアを殺そうとしていたというのに。
 今でも彼を愛しているのかどうか、それはもうリュディアにはわからない。だが、生涯をこの国に捧げると決めた。
 後継者には従兄弟か従兄弟の子を迎えればいいと思っている。グラス公爵家が失われても、父の弟はもう一人いるのだから。

「……陛下、陛下、ちょっといいですか?」

 どのぐらい物思いにふけっていたのかはリュディアにもわからない。だが、ちょいちょいとドレスのスカートを引っ張られて視線を落とす。
 首をかしげてこちらを見上げていたのは、トーリだった。リュディアが反応しないのに困っていたようで、ようやく視線が合ったかと思うとにぱっと笑う。

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