時をかける恋の舞台
ホテルの部屋はまだ柔らかい闇に包まれていた。
愛斗と正子は肌を寄せ合い、指先まで感じ合うようにイチャイチャと甘い時間を過ごした。
唇を重ね、髪を撫で、「愛してる」と囁き合うたびに心が溶け合っていく。そのまま抱きしめ合い、体温を感じながら深い眠りに落ちていった。
——朝。
窓から差し込む朝日が二人の頬をそっと照らした。
目を覚ますと、すぐそばに愛しい人の寝顔がある。
正子は目を細めて愛斗を見つめ、愛斗も目を開けると優しく微笑んでくれた。
「おはよう、正子」
「おはよう、愛斗くん」
二人はキスを交わしてから起き上がり、キッチンで朝ごはんを用意した。焼きたてのパンにゆで卵、サラダ、それに温かいミルクティー。向かい合って座り、ゆっくりと食べながら昨日のことや今日の予定を話し、穏やかな朝の時間を楽しんだ。
時計が8時を指した時、正子はカバンからサプリメントを取り出し、水を用意して飲もうとした。
その手を愛斗がそっと止める。
「今日は……正子とデートしたいな。ゆっくり二人で出かけよう」
正子は手を止め、目を丸くしてから嬉しそうに笑顔を浮かべた。
「うん、いいよ! デート、行こう💕」
サプリメントをそっと戻すと、正子は張り切って支度を始めた。鏡の前で服を選び、髪を丁寧に整え、少しだけお化粧をして——。 
くるりと回って愛斗に見せる。明るい色のワンピースに軽やかなスカート、風になびく髪がとても似合っていた。
「どうかな? 似合う?」
愛斗はじっと見つめ、目を細めて嬉しそうに言った。
「うん……可愛いよ、正子。本当に、世界一可愛い」
「ありがとう💕」
そっと近づいてキスを交わし、二人は車に乗り込んだ。向かう先はプラネタリウム。
車の中でも手を繋ぎ、音楽を流しながら話を続ける。道中の景色がゆっくりと流れていくのを見ていると、隣にいるだけで幸せな気持ちになれる。
約1時間半——。
会場の駐車場に車を停め、扉を開けて降り立つ。青い空の下、手をしっかりと繋いで受付へと進んだ。
「チケットを二枚、お願いします」
受付でチケットを買い、改札を抜けて中へ。館内は少し暗く、落ち着いた雰囲気。 
展示を軽く見ながら座席へ向かい、並んで腰を下ろした。始まるまでの間、肩を寄せ合って話をする。
「どんな星空が見られるかな」
「きっと正子の方が綺麗だよ」
「もう、そんなこと言わないでよ💕」
そんな会話をしていると、やがて照明が落ち、天井いっぱいに星が広がった。
——プラネタリウムの始まりだ。
まるで本当の夜空にいるような、無数の輝きが二人を包み込む。星座の説明が静かに流れ、星々がゆっくりと動いていく。 正子は思わず「わあ……」と声を上げ、愛斗はそんな正子の横顔を見つめながら、手を強く握りしめた。
約35分、星空の下で過ごした時間は、あっという間に過ぎていった。
上映が終わり、明かりがつくと二人は席を立った。
外に出ると、併設のショップへ立ち寄ることにした。棚に並んだ可愛らしいグッズを見て回り、正子はいい香りのするハンドクリームとボディソープを手に取った。
「これ、いい香りだね」
「うん、お家で使うたびに思い出しちゃうね💕」
愛斗はシンプルだけど書きやすそうなノートとボールペンを選んだ。
「これに、今日のことを書こうかな」
「いいね、私も一緒に書く!」
会計を済ませ、また手を繋いで店を出る。お昼はリンガーハットへ向かう。店に入り、席に着いて注文をする。正子はちゃんぽんと半チャーハン、愛斗はピリ辛ちゃんぽんと餃子を頼んだ。
「辛いけど、食べてみる?」
「うん、シェアしよう💕」
料理が運ばれてくると、愛斗は自分のピリ辛ちゃんぽんを取り分けて正子に渡す。二人で麺をすすり、スープを飲み、餃子を分け合いながら話は尽きない。
「二人で食べると、どうしてこんなにおいしいんだろう」
「それはね——愛斗くんと一緒だからだよ」
お腹も心もいっぱいになったところで、家へと帰り始めた。車の中は満足そうな笑顔でいっぱいだった。
家に帰り着くと、すぐに抱き合ってキスを交わした。
「ただいま、正子」
「ただいま、愛斗くん。帰ってきたね、二人の家に」
それからは夜までのんびりと過ごした。ソファで寄り添ってテレビを見たり、今日買ったノートにデートの思い出を書き留めたり、お茶を飲みながら話し込んだり——。
夕方には一緒に近くのスーパーへ買い物に出かけ、食材を選びながら「今夜のおかずは何にしよう」と楽しそうに話した。
家に戻ると、正子がキッチンに立って手料理を作ってくれた。 愛斗はそばに立って手伝い、包丁を持ったり鍋を見たりしながら、料理を作る時間さえも二人の大切な時間になった。
食卓に並んだのは、正子の得意な料理ばかり。温かい煮物、野菜たっぷりの炒め物、それに味噌汁。どれも心のこもった味で、愛斗は何度も「おいしい、おいしい」と言って食べた。
「よかった! たくさん食べてね」
「うん、全部食べるよ。正子が作ってくれたもの、全部大好きだから」
食事を終え、片付けを済ませると、二人でお風呂に入った。湯船に肩まで浸かり、温かいお湯に包まれながら、今日一日の思い出を振り返る。
「プラネタリウム、すごく綺麗だったね」
「うん、でも——正子の方がずっと綺麗だったよ」
「もう、またそんなこと言って💕」
お風呂から上がり、髪を乾かし、パジャマに着替えると、布団に入った。柔らかい明かりをつけたまま、今日一日のことを話しながら、いつしか体を寄せ合い、抱きしめ合った。
「今日は一日、楽しかった……」
「うん、最高のデートだったよ。正子と一緒で本当によかった」
「私も……愛斗くんと一緒なら、どこへ行っても楽しいよ。明日も、明後日も、ずっと一緒にいようね」
「うん、約束だ。ずっと一緒だよ、正子。愛してる」
「私も愛してる、愛斗くん……」
唇を優しく重ね、それから目を閉じた。今日見た星空のように、二人の心はいつまでも輝いていた。——明日も、また新しい幸せな朝が来る。そう願いながら、二人は穏やかな眠りについたのだった。
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