その黒曜、あまりに気高く、あまりに最狂
一人の団員が、恐怖を隠すように声を荒げて叫んだ

「レ、レイさん! でも相手は二代目総長を立てて、本気で俺たちを潰しにきてるんです! 頼みの幹部たちだって、相手のアジトすら掴めてねえじゃねえか! このままじゃ俺たち……!」

「……おい、お前。レイさんの前で何口叩いてんだ」

蓮がシルバーウルフの髪を逆立て、狂犬の目を剥き出しにして一歩前に出る

だが、レイは細い手をすっと挙げて蓮を制した

レイは静かに立ち上がり、ライトの逆光を浴びながら、怯える全ての団員たちをまっすぐに見据えた

夜風に長い黒髪が美しく揺れる。

その瞳には、恐怖を消し去るほどの絶対的な『王』の輝きがあった

「私が総長である限り、我がチームの頭を下げさせる者は、この世に存在させません。神代がどれほど姑息に動こうと、私の『黒曜』が負ける未来など、万に一つもあり得ないのです」

壇上のレイは、凛とした声で、道場全体に響き渡るように言い放った

「命まで寄こせとは言いません。ですが、その覚悟だけは私に預けていただきます」

ドクン、と。その場にいた全員の心臓が、大きく跳ね上がった。

丁寧な言葉遣いだからこそ、裏にある彼女の本物の覚悟と、

仲間を一人も捨てないという圧倒的な器の大きさが、団員たちの魂に突き刺さる

「……レイさんの言う通りだよ」

颯太が頭の後ろで手を組みながら、いつものチャラさを消した不敵な笑みでタメ口をきく

「俺たちが信じた総長が、負けるわけないじゃん。神代の居場所ならさ、うちの優秀な参謀と、新入りの多久くんがもう特定しちゃったんだよねー?」
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