その黒曜、あまりに気高く、あまりに最狂
――翌朝。
私立鳳(おおとり)学園の中庭
眩しい朝の光が降り注ぐ中、1年の高橋多久は、
いつも通りパンを片手にベンチに座っていた
その目の前を、乱れのない美しい黒髪ストレートをなびかせ、
校則通りの綺麗な制服に身を包んだ「あの人」が通り過ぎる
学年トップの成績を誇り、誰にでも敬語を使う、学園の誰もが憧れる生徒会長
「あら、多久君。おはようございます。今日も良い天気ですね」
すれ違いざま、九条澪が上品に微笑みながら声をかけてきた
昨夜、あれほど圧倒的な暴力で世界の頂点に立った最狂の総長「レイ」の面影は、昼間の彼女にはどこにもない
だけど多久は、その笑顔の奥にある彼女の『本当の優しさ』を知っている
「はい! おはようございます、ミオさん!」
多久が真っ赤な顔で、でも誇らしげに声を返した
澪はふふ、と妖艶に唇を緩めると、人差し指を自分の唇に当て、小さくウインクをしてみせた
「ふふ、学校では校則厳守。この秘密は、内緒にしてくださいね?」
サラリと黒髪を揺らして歩き出す彼女の背中を、多久はもう、遠い存在だとは思わなかった
一生、この人の部下として地獄の果てまでついていこう
心の中でそう深く誓い、前を向いた
昼はお淑やかなお嬢様、夜は夜風に敬語を響かせる最強の総長。
彼女の伝説は、これからもこの街の夜に刻まれ続けていく。
〜fin〜
私立鳳(おおとり)学園の中庭
眩しい朝の光が降り注ぐ中、1年の高橋多久は、
いつも通りパンを片手にベンチに座っていた
その目の前を、乱れのない美しい黒髪ストレートをなびかせ、
校則通りの綺麗な制服に身を包んだ「あの人」が通り過ぎる
学年トップの成績を誇り、誰にでも敬語を使う、学園の誰もが憧れる生徒会長
「あら、多久君。おはようございます。今日も良い天気ですね」
すれ違いざま、九条澪が上品に微笑みながら声をかけてきた
昨夜、あれほど圧倒的な暴力で世界の頂点に立った最狂の総長「レイ」の面影は、昼間の彼女にはどこにもない
だけど多久は、その笑顔の奥にある彼女の『本当の優しさ』を知っている
「はい! おはようございます、ミオさん!」
多久が真っ赤な顔で、でも誇らしげに声を返した
澪はふふ、と妖艶に唇を緩めると、人差し指を自分の唇に当て、小さくウインクをしてみせた
「ふふ、学校では校則厳守。この秘密は、内緒にしてくださいね?」
サラリと黒髪を揺らして歩き出す彼女の背中を、多久はもう、遠い存在だとは思わなかった
一生、この人の部下として地獄の果てまでついていこう
心の中でそう深く誓い、前を向いた
昼はお淑やかなお嬢様、夜は夜風に敬語を響かせる最強の総長。
彼女の伝説は、これからもこの街の夜に刻まれ続けていく。
〜fin〜