【完】その黒曜、あまりに気高く、あまりに最狂
スマホも奪われ、壁に押し付けられて絶体絶命。涙がこぼれそうになったその時――。
腹の底に響くような、重厚なバイクの排気音が路地裏を震わせた。
バリバリバリと、爆音を立てて現れたのは、カスタムされた漆黒の単車。
それに続くように、鳳学園の制服を独自のスタイルで着崩した集団が路地を埋め尽くしていく。
その胸元には、誇らしげに『黒曜(こくよう)』の文字が刺繍されていた。
「チッ、鳳の暴走族か……!」
他校の不良たちが身構える。
バイクの集団が左右に分かれ、道を作る。その中央から静かに歩み出てきたのは、一人の少女だった。
ブレザーを肩に羽織り、冷徹な一瞥をこちらにくれる。
その顔を見て、俺は息を呑んだ。
え……ミオ、さん……?
いや、違う。昼間のお淑やかな彼女の面影はどこにもない。
彼女を取り囲むように並んだ、見るからに強そうな幹部たちが、一斉に頭を下げて深く一礼した。
「「「レイさん、お疲れ様です!!」」」
「レイちゃん、お疲れ様!!」
レイさん。俺たちの知らない、彼女の本名。
一握りの幹部だけが呼ぶことを許された、夜の支配者の名前。
腹の底に響くような、重厚なバイクの排気音が路地裏を震わせた。
バリバリバリと、爆音を立てて現れたのは、カスタムされた漆黒の単車。
それに続くように、鳳学園の制服を独自のスタイルで着崩した集団が路地を埋め尽くしていく。
その胸元には、誇らしげに『黒曜(こくよう)』の文字が刺繍されていた。
「チッ、鳳の暴走族か……!」
他校の不良たちが身構える。
バイクの集団が左右に分かれ、道を作る。その中央から静かに歩み出てきたのは、一人の少女だった。
ブレザーを肩に羽織り、冷徹な一瞥をこちらにくれる。
その顔を見て、俺は息を呑んだ。
え……ミオ、さん……?
いや、違う。昼間のお淑やかな彼女の面影はどこにもない。
彼女を取り囲むように並んだ、見るからに強そうな幹部たちが、一斉に頭を下げて深く一礼した。
「「「レイさん、お疲れ様です!!」」」
「レイちゃん、お疲れ様!!」
レイさん。俺たちの知らない、彼女の本名。
一握りの幹部だけが呼ぶことを許された、夜の支配者の名前。