その黒曜、あまりに気高く、あまりに最狂
鳳学園のブレザーをマントのように肩に羽織り、
跳ね上げたキャットラインのメイクで圧倒的な覇気を纏う総長――レイ

そのすぐ隣を、背中に『黒曜 副総長』の金刺繍を輝かせた颯太が、
チャラついた笑みを浮かべながら歩いてくる

「「「レイさん、お疲れ様です!!」」」

幹部たちが一斉に直立不動で深く頭を下げる

「お疲れ様です、皆さん。今夜も良い夜ですね」

レイは定位置であるコンクリートの縁に腰掛け、細い足を優雅に組んだ。誰にでも敬語。

だけど、その場にいる全員の背筋を伸ばさせる絶対的なカリスマがそこにあった

「それで、颯太。今日の報告は何ですか?」

レイが隣の相棒に視線を向ける。

「ん? ああ、隣町のチーム『狂犬連盟』の雑魚どもがさ、うちのシマでコソコソ動いてるみたい。昼間、一般の生徒をカツアゲしようとしたらしくて。ねえ、蓮?」

颯太が話を振ると、蓮が両腕のサラシをギチッと締め直しながら前に出た

「ああ! 昼間、一般生徒の高橋って奴を路地裏で囲んでやがった! レイさんが一瞬でボコして追い散らしたけどよ……あいつら、まだ鳳の周辺に潜んでやがります」

蓮の報告に、陸が

「うわ、レイさんの背負い投げ、生で見たかったわ〜」

とお調子者らしく笑う。一ノ瀬は手帳を閉じ、冷ややかに告げた

「狂犬連盟、ですか。品性の欠片もない名前ですね。レイさん、彼らは我が『黒曜』の、ひいてはレイさんの品格を汚しました。どう処分いたしますか?」

幹部たちの視線が、一斉にトップであるレイに集まる夜風が彼女の長い黒髪を揺らした。
レイは、白のカッターシャツの襟元にある黒いチョーカーに触れながら、ふっと妖艶に微笑む。
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