【完】その黒曜、あまりに気高く、あまりに最狂
室内のソファーに座る蓮と陸も、怒りで顔を強張らせている


「アイツら、姑息な真似しやがって……! 今すぐ隣町に乗り込んで、あのオールバックの顎ぶち砕いてくる!」


「待てよ蓮! 相手の居場所が分からないのに飛び出したら、それこそ神代の思うツボだって!」


いつもは賑やかな幹部たちが、初めて見せる焦りと怒り。


神代の『見えない牙』は、確実に黒曜の足元を削り始めていた。


その時、ネクタイを緩めた颯太が、いつもの軽いチャラさを消した真剣な目で、デスクの主を見つめた


「……レイ、あいつマジで容赦ないよ。このままだと、黒曜の下の奴らの中から『総長のせいで巻き込まれた』って不満を持つ奴が出てくるかもしれない。どうする?」


「……」


デスクの後ろで、九条澪は静かに目を閉じていた


校則通りの綺麗な制服姿。だけど、彼女が纏う圧倒的な総長の覇気は、夜の姿と何ら変わりはなかった。
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