はじまりは、再会の後から 〜二人のイケメンからプロポーズされて困惑しています〜
哲平が来て貸し切りだったお茶会がカオスな場になった。翔也と一対一で、対峙していたらどうなっていただろう。戸惑ったかもしれないが、頷いていたかもしれない。

飛び入り参加の哲平が翔也に対抗して、あの場で千雪への気持ちを告白し、掻き回したのは事実である。

翔也からのプロポーズと、哲平からのプロポーズ。二人への返事を有耶無耶にしてしまったが、あの状況では致し方ない。二人のイケメンを手玉にとって弄ぶ悪女。これが現在の千雪の立ち位置だ。

お陰で千雪は寝不足だった。一晩ずっと二人のことを考えて、眠れなかったのだから。

「八奈見さん、いい仕事してくれましたか?」

そう言って梨乃はにこっと笑った。

「何を持っていい仕事と言うのかは分からないけど。八奈見が参加したことで、翔也くんの思惑とは、方向性の違うお茶会になったのは確かだね」

「そうなんですね。八奈見さん、してやったりじゃないですか。で、やっぱり翔也くんを振って、八奈見さんと付き合うんですか?」

「あ……あはは……」

千雪は笑って誤魔化した。付き合うを通り越して二人からプロポーズされたなんて言ったら、茶化されるに決まっている。
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