はじまりは、再会の後から 〜二人のイケメンからプロポーズされて困惑しています〜
歩みを早め、つかつかと歩み寄って来た清香が、千雪の肩をとんと突き飛ばした。

「どういうことか説明してよ。瀬戸さん、本当に八奈見くんと付き合ってるの?」

「ちが……」

突き飛ばされた千雪は、二、三歩後ろへよろめいたが、かろうじて転倒は免れた。

「付き合ってなんか、いないよね?」

転ばなかった事が気に食わなかったのか、清香はもう一度千雪の肩を突き飛ばした。

「ぅわっ……」

千雪は踏みとどまれずに、今度は地面へ尻餅をついてしまった。

突き飛ばされたことで、千雪は目が覚めた。

(飲み込まれるな、私。こんなことまでされて、黙っていたらだめ。私にだって言い返す権利がある。それに……。もうこの人とは、友達でも何でもないんだから)

清香を静かに見据えたその時、車のクラクションが鳴り響き二人は音の方へと視線を移した。
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