はじまりは、再会の後から 〜二人のイケメンからプロポーズされて困惑しています〜
憂いの無くなった翔也は、愛子と共に生きることを決めた。人生の新たな船出に、ささやかなイベントを開催し、千雪と哲平を招待した。

「翔也くん、愛子さん。本日はお招きいただきありがとうございます。そして、おめでとうございます」

そう言うと、千雪はブーケを愛子にプレゼントした。

「わぁ!可愛い!ありがとうございます」

愛子がにこっと微笑んで、翔也にブーケを見せた。

「ありがとう。ちぃ、八奈見くん。二人のお陰で今日があると思ってる。だから婚姻届の証人は、二人にお願いしたかったんだ」

「もちろん。喜んで」

千雪はにこやかに返事をすると、翔也に持参した印鑑を見せた。そして哲平を見上げて、こくんと頷く。哲平も頷き返した。

ーーー

一際目立つ丸いテーブルの上には、ホールのケーキやアフタヌーンティーが置かれ、可愛く飾り付けもされていた。

そして、隣の丸いテーブルには婚姻届と万年筆と印鑑が鎮座している。

「おぉ……これが婚姻届かぁ」

哲平は興味深く覗き込んだ。

「ただの用紙なのに、なんだか神々しいね」

とは、千雪の感想だ。

「千雪さん達も、近々書くことになるんじゃない?」

愛子が笑顔でそう言った。

「僕の大事な幼馴染を渡したくないなぁ。これが父親のの心境なんだろうな。八奈見くんは馬の骨では無いけどさ、複雑だよ」

翔也が唇を尖らせた。千雪は小さく笑って哲平を見上げた。すると、当の本人は不本意な顔で苦笑いしていた。

「もう……。翔也くんは心配性だなぁ。大丈夫だよ、私は幸せだから。むしろ楽しみしかないよ。二人の夢もあるしね。ね、哲平」

「おぅ!心配すんな。千雪のことは俺に任せて、鈴木くんは思う存分、自分の幸せを噛み締めてくれ」

ティエドゥールに穏やかな笑い声が流れた。
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